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株式会社ファースト

First Co., Ltd.

目指すのは「デザインのいい街づくり」
サインディスプレイメーカーが取り組むサーキュラーエコノミー

株式会社ファーストは、サイン・ディスプレイ・デジタルサイネージの総合カンパニーです。創業より55余年の実績とノウハウをもとに、企画、商品開発、製造、販売までの一貫した体制で、迅速かつ効率的に顧客のビジネスをサポートいたします。「デザインのいい街で暮らしたい」を企業理念に、人々の生活にゆとりや潤いを与える、便利で豊かな製品を増やしていきたいと考えています。

グッドデザインをはじめとする各種受賞・認証でブランド力向上 株式会社ファーストでは、これまでにスタンド看板をはじめとする11シリーズのグッドデザイン賞を獲得し、第三者評価および信用度を高め、デザインのいい街づくりに貢献してまいりました。技術面では「愛知ブランド企業」認定、「ものづくり日本大賞 優秀賞」受賞を達成しております。

汎用性に優れた工法でメリットを享受 ファーストの登録商標である「4X工法®」は、製品の基本要素(面板、柱、ベース、ジョイント)を標準化部品として共有し、顧客の求めるサイズ、色、形状に応じたサインディスプレイを提供する手法です。この方法により、多品種小ロットの大量生産を効率よく行うことができ、組み合わせのバリエーションは1億通り以上にも及びます。
4X工法®は組立式であるため、短納期での受注生産が実現できます。また、在庫を持たないことで維持・管理コストを最小限に抑えられるとともに、修理の際は部品の取り替えが簡単にでき、メンテナンスの利便性を高めております。さらに、部品は溶接や接着をしないため、人の手で分解や取り替えができ、再利用やリサイクルも可能。サステナビリティと効率を重視した生産アプローチを実現し、顧客が市場の変動に柔軟かつ迅速に対応できるようにサポートいたします。

街の安全安心を担保する品質への取り組み ファーストでは、品質・環境マネジメントシステムの構築が認められ、国際品質規格マネジメントシステムISO9001と、環境マネジメントシステムISO140001を同時認証取得しております。特に、パネルスタンドなどの屋外用サインにおいては、外観デザインだけでなく、安全を確保するための耐久性を備えることが求められます。転倒や破損の危険性を確認するため、建築の第三者機関において瞬間最大風速に対する耐久実験(風洞実験)を実施し、安全にお使いいただくための基準を明確にしております。
また、製作グループの社員を中心に社内コンペを開催。組み立てやすさや壊れにくさなど構造面の実務的な観点からの評価および提案を行い、その中から特許や実用新案も生まれるなど、品質と耐久性向上に日進月歩で取り組んでおります。

SDGsに向けた製品や地域のつながりの取り組み ファーストでは、SDGsの各目標に則り、下記の取り組みを推進してまいります。

8.働きがいも経済成長も
製品の開発から仕入れ、生産、販売に至るまでのプロセスを一貫しているファーストでは、社員が多能工としてあらゆる要望に対応できるスキルを身につけ、成長していきます。これにより、自らの強みや得意を活かした働き方を推進し、どんな市場状況にも適応できる持続的な成長を目指す企業へと進化し続けることを目標としています。

11.住み続けられるまちづくりを
ファーストでは地域活性化の一環として、自社のデジタルサイネージを活用し、地域の商店街振興組合に所属する飲食店のコンテンツをバスターミナルなどで発信しています。また、CSR活動の一環として隣接する天白川の堤防のゴミ拾い活動を実施。地域社会との強い連携を目指しています。

12.つくる責任、つかう責任
ファーストの4X工法®では、在庫過多や過剰生産を避ける製造体系を確立しています。必要な製品を必要な数量だけ生産することが可能なため、地球環境への過度な負担をかけることなく、社会に便利で豊かな製品を提供し続けることができます。また、部品交換の容易さから、製品の持続的な使用が可能です。

製作事例

Production Examples

  • グッドデザイン賞 受賞製品

    デザインによって、暮らしや社会をよりよくしていくための総合的なデザイン評価・推奨のしくみであるグッドデザイン賞に、これまでに11シリーズの商品が受賞しています。

  • デジタルサイネージ「Comabo」シリーズ

    サイン・ディスプレイのメーカーとして培った技術とノウハウにより、デザイン性に優れた筐体(ケーシング)、スタンド・台の設計製作、ディスプレイの組込まで、幅広くご対応可能です。

  • 環境にやさしいサイン・ディスプレイ用品「クロリー」シリーズ

    繊維リサイクル材と当社が提供するサインディスプレイ用品を組み合わせ、持続可能な社会に貢献していけるモノづくりを進めています。

  • 消毒液スタンド(感染症対策商品)

    これまでのモノづくりのノウハウを活かし、サインディスプレイ以外の商品も、市場ニーズに合わせてスピーディーにお応えできる体制を整えています。

  • すてきなお店づくりサポートマガジン 「カンバン女子」 (WEBサイト)

    カンバン女子は、主にWEBサイトで活動している当社のオリジナルブランドです。
    使いやすくてデザイン性の高い店舗用品のご提案・お店作りに役立つ情報の発信を行い、皆さまのお店づくりが、より楽しくなるようお手伝いいたします。

会社概要

Company Profile

会社名 株式会社ファースト
創業 1978年
資本金 5880万円
本社所在地 愛知県名古屋市天白区原1丁目815番地
代表者 代表取締役社長 水本貴士
従業員数 27人
事業内容 サインディスプレイ・電子看板・店舗用品の製造及び販売
【取扱製品】
・屋内スタンド/メディアサイン/パネルスタンド/ポスターパネル/電飾サイン/スタンド看板/カタログスタンド/スペースファニチャー/ディスプレイパーツ/オプション/補修部品

環境配慮に向けた新商品開発への取り組み

Efforts to develop new environmentally friendly products

石油由来から自然由来の部材へ 自社のパーツストックで支える低炭素商品の開発

【開発商品の特徴】

ファーストの強みである、いろいろなものを組み合わせる力を活かした商品開発に現役学生や専門家とともに取り組み、エコ素材と既存の押出材部品を利用したパーティションと壁面ラックを開発しました。

ブレインストーミングを繰り返し、商品ターゲットを従来のBtoBからBtoCまで広げての開発に着手しました。


当社のパーツストックに、紙・パルプモード、竹材・集成材、ダンボールなどのエコ素材を組み合わせていくプロトタイピング手法を用い、最終的にダンボールを採用。主にテレワーク用の背景や部屋の目隠しなどとして、住環境にいいデザインを持ち込むとともに、エコ製品への意識の連鎖を生むことを狙いました。建築のトレンドである「半建築」に倣い、素材を生かしたデザインを取り入れ、パネルや金具の断面を見せることで視覚的な魅力を加えています。また、サイズ交換や収納が容易なデザインを採用し、用途の変更が自由自在に行えるようにしました。


【グリーンイノベーションにつながるポイント】

リサイクル素材を使ったプロダクトは、バージン素材よりコスト増になるという問題がありました。カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーについての見識を深める中で、当社がこれまで培ってきた強みを活かし、環境の優等生である紙の中でも安価で頑丈、リサイクルが100%可能なダンボールに当社のパーツストックを組み合わせました。

既存のものをリユースし、廃棄時はリサイクルできる循環を作り、低炭素社会の実現に寄与していきます。


インタビュー

Interview

本事業への参加に至る背景

ファーストでは、これまで多品種・小ロットなものづくりで多様な顧客ニーズに対応してきました。しかし、社会の変化により、より多様な顧客ニーズに応えることが必要になってきていると感じています。そのため、当社としても新しい取り組みにつなげるきっかけとして本事業に参加しました。


参加しての所見や感想

本事業では、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーについて見識を深めつつ、これまで培ったファーストの強みを活かしながら、石油由来の部材から自然由来の部材への切り替えや新素材の活用について、プロトタイピング手法による検討を行いました。しかしリサイクル素材や自然素材を活用したサイン・ディスプレイの開発は、商品として視認性を満たす事ができず、商品化を見据える上での難しさを改めて感じました。


会社からの今後の提案

ファーストは、サイン・ディスプレイやデジタルサイネージ分野において、生産効率と視認性を重視した商品開発で企業価値を高めてきた企業です。これまでにさまざまなデザイン性のある商品開発に挑戦してきましたが、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー、SDGsといった環境への取り組みを推進するための商品開発は、従来の考え方では、商品化が難しいと感じました。中でも、本事業で行ったプロトタイピングを通じ、商品コンセプトと商品の持つ仕組み、商品そのものの視認性を合致させることの重要性を痛感しました。難しいテーマではありますが、今後も継続的に商品開発に取り組み、低炭素社会の実現につながるものづくりで、顧客ニーズにマッチする豊かな製品を提供していきたいと考えています。